クリスマスキャロル2019を知ったきっかけは、堀江貴文(ホリエモン)さんのTwitterか、僕が通っているバーレスク東京というショークラブのダンサーで、アンサンブルキャストのYokoちゃんのTwitterだった気がする。
たまに堀江さんの本を読むし、舞台俳優までこなす堀江さんが気になり、2階一般席のチケットを購入した。
また公演1ヶ月くらい前にホリエモンチャンネルで、日本における舞台の現状と問題点、その上でどのように舞台鑑賞をビジネスにするかを語っていた。僕は以下のように解釈。
・問題点
「演劇業界は閉塞的でにわかを取り込めておらず、収益化が難しい」
・解決策
「従来の窮屈な観劇スタイルを食事を楽しみながら観れるようにすることでなくし、その上でいい脚本の舞台、ライブ感を楽しんでいただき、舞台鑑賞に興味を持ってもらう」
畑違いではあるが、元アイドルオタクの僕としても、現状のエンタメ界に対して思うところがある。にわかファンが増えずジリ貧になり、売れずに終わったアイドルをたくさん見てきたからだ。
舞台の内容だけでなく、プロデューサーホリエモンの手腕も気になり、4万円のアリーナ食事付きチケットも追加で買ってみた。
前置きが長くなってしまったが、個人的に印象的だったシーンを中心に写真と一緒に振り返りながら、感想を語る。
・12月14日夜公演:2階席
・12月15日昼公演:食事付きアリーナ席
上記2公演を観たが、本記事では主に12月15日昼公演:食事付きアリーナ席の感想と写真を掲載する。
入場〜開演
会場の様子
東京キネマ倶楽部の1階に降りると、まるで高級レストランであるかのような会場が。
赤い円卓がVIP席。


僕の根がオタクだからなのか、最前の席を引いたのウケる(笑)
ステージが目の前に。

お客さんはカップルや家族連れ、堀江さんのファンらしき方々がいた。(みんなお金持ってそう。)
黄色いサンタ衣装のお姉さんが、この会場でチップとして使えるスクルージ紙幣を持ってきたので買ってみた。

アンサンブルやスタッフの方々にチップとして渡したり、3枚で2ショットチェキを撮ることができる。演劇の収益化の1つのアイデアとして、チップはありだと思う。
クレジットカードとPayPayにも対応しており現金以外の支払い方法があるのは、やっぱり堀江さんプロデュースの舞台だ。
僕は女性アイドル現場に通っていた頃、物販にクレジットカードや電子マネーが対応していないことに不満を持っていたので、これからはエンターテイメント関係の物販に普及してほしい。
開演前にアンサンブルの方々のダンスパフォーマンス。
僕が普段通っているバーレスク東京でダンサーをしているYokoちゃんがセンターに。


ダンスパフォーマンスが終わったあとは、アンサンブルの方々が各テーブルを回っていく。
僕はYokoちゃんと少し話したり、チェキを撮ったりして楽しんだ。


やっぱり、自分のことを知ってくれている出演者がいると、より楽しくなる。
ちなみに、バーレスク東京もすごく楽しいので、是非足を運んでみてほしい。
ショーの楽しさはもちろん、女の子のおしゃべりを楽しんだり、この舞台と同様に女の子にチップを渡したり、シャンパンを頼んだりできる。
食事
楽しみにしていた食事。まずはお酒から。
僕はワインや日本酒が苦手だが、おいしいお酒だと思った。
お酒の価値がわかる大人になりたい人生だったな…..

一部のお酒を除き飲み放題、お菓子も自由に持って行って良い。

前菜。早速キャビアが出てきて笑った。


全部おいしかった。
僕が前菜を食べ終わったところで『クリスマスキャロル 2019』開演。
感想
第一幕
クリスマスキャロルの原作を読んだことがないが、原作をベースにわかりやすくアレンジした内容であることがわかった。
サンタクロース姿の堀江さんが下手2階に登場し、白い袋からホリエモン本を出して、お客さんにプレゼントしながらステージへ。その様子をお客さんがスマホで撮影。


公演中の舞台が写真撮影OKでSNSにアップ可能。
ライブなどでは推奨されているところもあるが、舞台で写真撮影OKは、ここだけかもしれない。
アリーナ席で観ていて思ったけど、スマホカメラのシャッター音や食器の音がある中、何事もないように演技をするキャストの方々すごすぎる……
「テレビ局を買収しようとしたが大人の都合でやめた話」などは、観客を笑わせる。
堀江さんの演技は何の違和感もないどころか、むしろ良い。
スクルージ家の訪問客として、日替わりでゲストが登場。
12月15日昼公演は、ピコ太郎さんが出てきた。テレビで見るより派手……
いるだけで笑いを取ってしまうの反則すぎる。
絡みづらいので、堀江さんを含む出演者の方々がピコ太郎さんの扱いに困っていたのも、おもしろかった。

(このときは、PPAPをやらずに舞台から去った。)
その後は、青年スクルージ時代の回想へ。
IT企業を経営している設定で、経費節約のためにトイレの水を1日2回までにしたり、そのことに異議を唱えた部下のトニー・ベイカーをクビにしたりなど、青年スクルージのワンマンでかつ守銭奴ぶりがいかんなく表現されていた。

青年スクルージ宅に現れた大天使ミカエルの歌は、迫力があり引き込まれる。
初めて舞台を観られた方は、かなりの衝撃を受けたのではないだろうか。

幕間
ゆっくり食事を楽しむために、幕間は45分間も取られていた。
食事付き席でないと時間を持て余したが、食事付き席であれば丁度良い時間配分。
トリュフの入ったスープ。

メインディッシュのローストビーフ。

卵が載った牛丼。

すごくおいしいことだけはわかった(小並感)
幕間でもアンサンブルの方々のダンスパフォーマンス。
幕間のグリーティングでも、Yokoちゃんとお話して過ごした。かわいい。
バーレスク東京のダンサーの活躍、嬉しい。


堀江さんはVIP席の円卓に長くいた。
こちらの円卓にも来られたが、堀江さんと長く話したい方はVIP席を購入すると良い。
第二幕
第二幕では、大天使ミカエルの3人の部下に3つのクリスマスを見せられ、青年スクルージが改心するプロセスが描かれている。
少年期、青年スクルージのような偏屈さが少しありながらも、妹思いの優しいお兄さん。

青年期、事業は軌道に乗るが、恋人のケイトに別れを切り出された青年スクルージ。

途中で現在のスクルージ(堀江さん)が登場し、もう一度ゲストの方とのトークがあったり、なぜか青年スクルージと口論になったりするシーンも面白い。


普通に『クリスマスキャロル』の話を続けても、シリアスな感じが続いて重苦しさが残るような気がするので、笑えるシーンが良い緩衝材になっている。
3人目の天使ウリエルは、スクルージのいない世界線を見せた。
スクルージが経営していたはずの会社の社長はマッケンジーになっており、部下たちも付いて行っている様子に青年スクルージは激しく動揺。
「嫌いな奴が死んだ」というネガティブなフレーズを歌に乗せ、すっかりマッケンジーの会社になった雰囲気を重すぎず、まるでアニメの悪役が出てきたような感じで、ポップに表現されていた。
マッケンジー役の折井あゆみさん、めっちゃかっこいい。

そして、棺桶が運ばれて「恐らく、自分が入っている」と思い、棺桶の中を見たがらない青年スクルージに「開けろ!!」と言う天使。
3人目の天使ウリエルの演技の落差が大きい!!ギャップのある芝居を観るとワクワクする。
棺の中からは現在のスクルージが、漫画のオチみたいな感じで登場。

現在のスクルージが青年スクルージを諭す場面。

3人の天使との出会いを通じて、改心したスクルージが少し描かれたあと、現在のスクルージ家の場面に戻る。

最後の孫の彼氏を抱擁で迎えるシーン。僕はこれが一番好き。
孫以外に拠り所がなく孤独な孫の彼氏に、かつての自分を重ねるスクルージ。
青年スクルージの改心を観たあとだから、感動せずにはいられなかった。

カーテンコールでは、堀江さんや出演者の方々の挨拶。
『座長ホリエモン』としての姿もカッコいい。

(ここでやっとゲストのピコ太郎さんがPPAPを披露した。生PPAP。)
本編終了後、青年スクルージ役の岸 洋佑さんが劇中歌と持ち曲を1曲ずつ披露。

カッコよすぎる。
演技はもちろん、歌唱パフォーマンスも素晴らしく、僕とあまり歳が変わらない方とは思えなかった……
公演終演後「最高だったな……」
と余韻に浸りながら、チーズケーキとコーヒーをゆっくりと楽しんで、会場を後にした。


ごちそうさまでした。
まとめ
主演は堀江さんだが、実質的な主演は青年スクルージ役の岸 洋佑さんだった。
怒りの演技が多く、感情の起伏が大きい青年スクルージ役を最後までやり切った岸さんは素晴らしい。本業はシンガーソングライターで舞台は初挑戦とのこと。全くそう見えなかった。
他に気になったキャストの方は、折井 あゆみさん。
マッケンジー役がカッコ良いので「元宝塚なのかな?」と思ったら、元AKBだった。
「食」と「劇」のコラボレーションは、今の日本の舞台では斬新だが、たまにアリーナ前方下手側のお客さんの様子を見てみると、さすがに花より団子とはいかず、ステージに釘付けになっていた。円卓のステージ側に座っている方々は、ステージが暗転したときが、食事を楽しむチャンスだったかもしれない。
とは言ったものの、一般的な舞台よりもリラックスして楽しめる内容になっていたので、堀江さんが語る「舞台観劇から窮屈さをなくす」工夫がされていたと思う。
特に酒を飲みながら舞台を観れるのは、シンプルに最高。
舞台の内容に関しては、クリスマスキャロルのHPに書いてあるストーリーのあらすじだけを見ると、ありがちな話に思えるかもしれない。
しかし、実際に会場に足を運ぶと、とても良い脚本で心暖まる内容を役者の方々が生で演じているのもあり「感動」という言葉だけでは表せないものが、心から溢れてくるような気持ちになった。
「この舞台が人生で初めて観た舞台」という方々にも刺さる内容だし、これがきっかけで少しでも舞台に興味を持ってくれるにわかファンが増えてくれれば……と思う。
家でドラマや映画を観るのも楽しいけど、舞台ならではの、生で役者の方々の芝居を観る臨場感はやっぱりたまらない。
来年も開催されるなら、また行きたい!!