オタクには様々な年齢層のオタクがいる。
その中でも高校生〜大学生くらいの若いオタクは、社会人オタクに比べて時間的リソースがあることから、48系のような転売で稼げない現場だとしても、有り余る時間を使っておまいつをしたり、様々な現場に顔を出したりしてオタクを楽しむ。
ただし、若くしてオタクを始めたオタクは、オタクとしての寿命が短い。
オタクとしてのピークは20代だと言っていいだろう。
若いオタクが多い現場は、現場として「勢いがある」象徴であることから、真面目にアイドルの成功を願うオタクとしては、若いオタクはいてほしい存在かもしれない。アイドルから比較的おいしい思いをしやすそうなので、オタクをすぐやめる意味もないと思うこともあるだろう。
では何故、若いオタクは数年でオタクを卒業するのか説明する。
本記事を通して、若いオタクの取り巻く環境・メンタルの変化を理解いただけたらと思う。
目次
何故、若いオタクの寿命は短いのか?
主に以下3つの理由のどれかであるか、3つの組み合わせでいつの間にかオタクをやめる若者が多い。
逆にこの3つのパターンを全くものともしない、もしくは開き直るような若いオタクは一生オタクの素質がある。
社会人になって時間的リソースが限られてくるから
「社会人になったタイミングでオタクを全くしなくなった」というのが一番多いパターン。
僕の友人も社会人になったタイミングでオタ卒した人が多い。
大学生までの特権であった「時間」をオタクに全振りできない若者は、仕事に追われオタクにかける時間が減少する。
せっかくの休日は休みたいとか、オタク以外の別のことをしたいと思うようになり、メンタル的にもオタクから離れていく。
そうすると、オタクをするのがだんだんと面倒になってきて、最近の事情に疎くなり、オタクなんてどうでもよくなってしまう。
結果的に、学生時代に夢中になってオタクをしていたことが嘘であるかのようにオタクをやめる。
大半の社会人一年目のオタクは時間的リソースの問題からオタクを続けるモチベーションが下がり、オタクをやめていく。
これだけではない。
たまたま社会人でオタクを続けられたとしても、まだオタクを続ける障害がある。
その障害とは、何かというと「将来のことを考え始め、オタクをやめたほうがいいと思い始める危機感」だ。
アラサーに差し掛かり始めると、親族の集まりで「結婚はいつなの?」と問われ始め、今まではオタクに夢中で全く気にしていなかった結婚を含めた「将来のこと」を嫌でも考え始める。
会社の同期や学生時代同級生が結婚し始め、急に焦り始めてしまうことも「将来のこと」を考え始めるきっかけとなる。
さらにオタク現場にいると、婚期を逃してしまった一生独り身のおっさんを見て「俺はああなりたくない」と思うことも社会人若手オタクに追い打ちをかける。
その結果、時間的リソースの問題のオタク卒業の例と同様に、オタクの優先度が下がり、オタクを卒業する。
ガチ恋が叶わないから
これはアイドルオタク特有の現象だ。
おっさんオタクがアイドルの成長を見守ることに楽しみを見出すタイプが多いのに対し、学生のオタクはアイドルとの年齢が近いからなのかアイドルに「ガチ恋」してしまうパターンが多い。
若いガチ恋オタクのパワーはマジで凄まじい。ヤバい。
特におまいつ系の若いガチ恋オタクは他を追随しない圧倒的なレベルの高さを見せつけ、推し被りに対しマウントを取る。
トークがうまければ、特典会でもアイドルと楽しく話せるしアイドルのぶっちゃけ話もよく聞けたりできるだろう。
が、しかしここから若いガチ恋オタクの勘違いが始まる。
「もしかして、自分は◯◯ちゃんから特別な存在なのでは?」と。
特別だとしても、それは他のオタクとの相対評価であり、絶対評価ではないことに気づけないのである。
そのような勘違いをしていないとしても、好きなアイドルに対して「付き合いたい、結婚したい」くらいは思うようになり、より一層ガチ恋を拗らせてしまう。
ガチ恋を拗らせたその先に待っているのは、「現実と地獄」だ。
好きなアイドルの恋愛スキャンダルや卒業で精神的にショックを受けると、その反動で若いガチ恋オタクは自暴自棄になり、今後一切ガチ恋オタクどころかオタクを卒業してしまうのである。
単純に飽きたから
アイドルの追っかけもアニメも冷静に考えると、始まりと終わりのサイクルはどれも同じである。
アイドルを例に挙げると、自分はただ以下のループを繰り返していることに気づく。
気になって現場に行く→推しメンに自分のことを覚えられる→なかなか売れない→解散→(また別の現場で繰り返す)
このループを繰り返して行くうちに、だんだん新鮮味がなくなり、アイドルの追っかけを続けることをバカバカしく感じるようになる。
つまり、冷静になりコンテンツへの情熱を失ってしまうのだ。燃え尽き症候群に似ている。
まとめ
繰り返しになるが、若いオタクのオタ卒理由は主に以下の3つのどれか、または3つのうち2つ以上の組み合わせである。
①社会人になって時間的リソースが限られてくるから
②ガチ恋が叶わないから
③単純に飽きたから
個人的な感覚だが、学生時代になってオタクを始めたオタクのピークは、大学生〜社会人3年目までだと思う。
実際、20代後半(アラサー)には、ほとんどの若いオタクはオタ卒している。
ちなみに自分語りになってしまうが、僕は「ガチ恋は叶わない」「単純に飽きたから」の2つ理由でオタクを卒業した。
アイドルは結局「芸能人同士か起業家と結婚するのがオチ」だと気づいたし、推しの卒業までオタクを全力でやった結果、悔いは全くなり燃え尽きた。
でも、オタクのときの何かに夢中になって「良い意味でバカになる」感覚は忘れないようにしたいね。