2021年12月、早いもので『PERSONA5 the Stage』は3作目を迎えた。
#1をきっかけに高巻杏役の御寺ゆきさんのオタクになり、2020年1月から、ゆきさんが出演される撮影会などに通い始め、2020年10月の#2に全通し死ぬほどエモい気持ちになった。
今年2021年はペルソナ5のコンテンツで触れることが少なかった(スマブラSPでメインをジョーカーに変更しようとしたが挫折)が、相変わらずゆきさんのオタクとしての熱は収まるどころか、過熱している気がする()
3月はゆきさん出演の時代劇の舞台にも全通し、主役よりも少ない出番ながら存在感のある芝居と殺陣に圧倒された。
11月にはゆきさん初主演の地上波ドラマも放送され、ここでも素敵な演技を観ることができた。
普段は撮影会やYouTubeチャンネル『不思議なゆきちゃん。』の視聴も楽しんでいる。
そんな中11月に『PERSONA5 the Stage #3』の稽古が始まり、ついに12月10日初演を迎えた。
一部キャストの変更はあったが、今回も#1#2と同様に最高の舞台だったので、ブログ記事として残しておこうと思う。
ちなみに僕はゲネプロ(特派員)以外の通常の全10公演を観劇した。
光る幻想追って彩って
進もう大きな掛け橋を
お願い僕の大好きな君の空、一生見させて彼方まで光っている月光
手を挙げて、この先もずっと(『せめて月のように』より) pic.twitter.com/Edeq6b686I
— Ryoken (@Ryoken_Yukawa) November 7, 2021
・このブログの管理人は『スマブラSP』きっかけの『ペルソナ5』ファンで、ジョーカー役の猪野さんと同い年の男性。
・高巻杏推しであり、彼女を演じる御寺ゆきさんのファンでもある。(2021年12月時点でファン歴2年)
ストーリーなどのネタバレを含む感想なので、見たくない方はブラウザバックを推奨します。
目次
会場の様子など
舞台装置
#1#2は動く台があったが、今回はそれが無く舞台でよくある感じの段がある。
中央の引き戸は双葉の部屋の押し入れとして使われた。(実際に双葉が中に入った。)
下手側だけステージの台が動くようになっていたが、現実世界のモルガナが映るときだけ動き、アクションで使用されることはなかった。舞台の上手下手側の段は、客席側と並行になっていないので、この仕掛けは下手側にモルガナを映すためだけの役割と考えられる。
大阪公演
#1振りの大阪メルパルクホール。(#2の大阪公演はサンケイホールブリーゼだった。)
12月12日の大阪千秋楽以外は人が結構少なかった。
新型コロナウイルスは収束傾向だけど、まだ今は舞台業界自体が向かい風になっているのかもしれない。
初日と2日目の昼公演までは演者の方々に硬さがあった気がするが、2日目夜公演からは慣れてきたのか硬さがなくなり、アドリブパートでネタを喋りまくるくらいにキレキレになっていたと思う。
横浜公演
僕個人的には家から近所で助かるが、#2でファンから不評だったKT Zepp YOKOHAMAが会場。
そもそもZeppはライブハウスだが、それにしてもお尻が痛くなる(笑)
あとは会場が冷えていたので、公演最終日は足裏やインナーにカイロを貼って観劇してた。
全体を通しての雑感
#2の感想記事を踏襲して、ストーリーの時系列順に気になった場面の感想を述べる。
双葉編
#3は夏休み前の中間テストを終えたばかりの主人公と杏、三島のシーンからスタート。
答案用紙を回収する際に名前の書き忘れに気付き慌てて自分の名前を書く主人公の名前がバックスクリーンに映し出される。今回も抽選で公演ごとに主人公の名前が変わった。
『Wake Up, Get Up, Get Out There』が流れた瞬間は、#2で何度も聴いたのに飽きもせずワクワクして顔がニヤけてしまう()
今作は原作の内容が結構端折られていてスピーディーに物語が進むようになっていた。それでも物語の趣旨には沿っていて整合性が取れる構成。メジエドの怪盗団への予告から双葉との接触までの進み具合で結構そう感じた。
「マジで原作と全くストーリー進行が同じじゃん」と思った#1と正反対である。
もしかしたら、#1で時間を取りすぎてしまったかもしれないね()
改心前の双葉のソロ曲、良い意味で心がつらくなってくる。
演出やアンサンブルの方々、苦しそうに歌う双葉役の福田愛依さんによって、ダークな雰囲気かつストレートに心に突き刺さるような感じだった。
他の怪盗団メンバーもそれぞれペルソナ覚醒前に自分の置かれている状況の苦しさを歌っているが、双葉がダントツに暗かった。
初めて惣治郎宅に来たときのくだりは、もうちょっと尺を使ってほしかった(笑)
怪盗団のブレーンである真がものすごく怖がる珍しい場面だし、原作やアニメ版でもおもしろい場面だけど、舞台ではこのシーンの良さが薄れてしまった気がする。なんかもったいない。
パレス攻略も前作に比べ結構端折られるようになってきた。
基本的には敵との殺陣とパレス独自の仕掛けだけを切り抜いている。
フタバパレスは怪盗団が最初にピラミッドを見つけシャドウ双葉と岩に追い返されるくだり、双葉と若葉が描かれている3枚の壁画を見て怪盗団が喋る内容が抜粋されていた。
フタバパレスのシャドウの踊り、マイケル・ジャクソンの『スリラー』の動きをしてた(笑)
怪盗団がパレス内にある認知の扉の開放と予告状を出すために、現実の双葉の部屋に来た場面が双葉編の見どころの一つ。
このシーンには、きちんと時間を使ってくれた。
双葉に共感しつつも一歩踏み出してもらいたい杏の気持ちが出ていたのが印象的。
しかし認知存在『イッシキワカバ』戦は演出に首をかしげざるを得なかった。
原作では圧倒的デカさでバケモノ感があり、空中に飛んでいて攻撃がそもそも当たらない(これが主人公が喋っていた「姿を捉えられない」)のが、認知存在『イッシキワカバ』だが、原作を知らず俳優さん目当てで来た客には何故苦戦しているのか、わかりにくかったように思う。
イッシキワカバ役の方が出現した冒頭や移動するときにバックスクリーンで大きさを見せたり、空中を飛ぶ映像を入れれば良かったのに。#2ではブタトロンをバックスクリーンに映したじゃん。
(演者の方々は特に悪くなく、完全に演出が悪い。)
双葉改心後に双葉と怪盗団が親睦を深めるイベントは丸々カットされるかなと思ったが、主人公の『Shall we dance?』で2.5次元舞台らしく、ダンスで親睦を深めていく様子を表現していた。
最初に祐介と真が双葉と絡んで、次に竜司と杏が絡みにいくのは、原作の1日目と2日目。
もちろんダンスだけでなく、原作通り祐介を『おイナリ』と呼び始めるシーンやルブランであの被り物を被って接客してしまうシーンがあった(笑)
原作でもそうだが、双葉って結構主人公と祐介になつくイメージある。
さすがに原作最後の海水浴はなかった(それはそう)が、双葉が怪盗団への加入をお願いするセリフはちゃんとあった。
双葉が怪盗団加入をお願いする場面のセリフは原作を踏襲している。
奥村編
双葉との夏休みイベントだけでなく、秀尽学園の生徒がハワイに修学旅行に行くくだりもやるのかと思った。舞台ではここがカットされると思ったので、意外だった。
サングラスをかけた主人公が浮かれすぎていてめっちゃ笑う。P5A(アニメ版)は修学旅行からルブランに帰ってきた主人公が双葉に「アローハ!」と言う場面があるが、それを思い出すくらいの浮かれ具合。
大阪2日目の夜公演でかけようとしていた杏のサングラスが壊れていたのは、笑いの神が降りてきていた(笑)
横浜最終日の昼公演はハワイのシーンで最初に出てくるはずの竜司が出てこなくて、どうしたんだと思ったが、主人公と一緒にサングラスかけて出てきたのが、めっちゃウケてた。
三島の名前イジりやアロハゲームも笑えて、コードネーム決めと同じくらいアドリブが多かった。
そのあとは特捜部長が某人物と通話する場面が入り、それまでの明るい雰囲気から一転、シリアスなシーンに移る。
校長が廃人化で亡くなるシーンは山岸さんが演じる校長の映像出演だった。
暗転したあとにトラックにひかれる音、結構エグくないですか。
奥村編は春が主人公でモルガナが裏主人公、そして怪盗団は大衆の声によって自分たちを見失いつつある状況でストーリーが進んでいく(と僕は解釈している)。
修学旅行から帰って衣替え早々、校長の死に狼狽え、奥村社長にパレスがあることがわかるが、意見がまとまらない場面は、怪盗団一人一人の考え方や心情の違いがわかるところなので、個人的に好きなシーン。
舞台でも良い感じに描かれていて、奥村社長をターゲットにすぐにでもパレス攻略を始めたい竜司とモルガナに対し、杏と真、祐介といった過熱する怪盗団ブームを危険視するメンバーの好演(特に祐介)で、全会一致と言いつつも今までは特にメンバー同士に意見の相違がなかった怪盗団のちぐはぐした感じがあって良かった。
(主人公と双葉はどっちつかずにも見えるけど、実際どうだったんだろう?どっちかというと、慎重に考えている方なのかな。)
モルガナを探しに訪れたオクムラパレスでの美少女怪盗(ノワール)初登場シーンでは、春の『どう思っているんです!?』からのアドリブパートとモルガナになかなか謝れない竜司がおもしろかった(笑)
原作では主人公がノワールの問いに答えるが、猪野ジョーカーは仲間にも振っていて笑う。
今作は大阪2日目夜公演くらいから、他の場面も含めアドリブパートの怪盗団同士の掛け合いがおもしろくなってきた(笑)
そのあと春がフィアンセに絡まれたり、モルガナが蹴られて倒れたりしたあとに怪盗団が止めに入るシーンも良い。
モルガナを蹴り飛ばしたフィアンセに本気で突っかかっていこうとする竜司やフィアンセを嫌がる春から引き剥がす杏、フィアンセを睨みながら静かに右手を握り締める真のリアクション全部好き。
その後ルブランで「モナちゃん、ウソやめよ?」「あの人キモい!!ムリ!!」と春が本音を言って、モルガナも「ここにいたいんだ〜!!」と本音を語り怪盗団に戻る場面も原作通り。竜司が最初はそっぽを向いている感じが細かい。
春のペルソナ覚醒も素晴らしく「さようならお父様!!」のセリフが聞けたので、結構満足。
(僕の推しキャラクターは杏だけど、『P5R』のペルソナ覚醒で一番好きなのは春。)
菅原りこさんの春はCV:戸松遥感がありながらも、ドスの聞いた喋りも良いなと思いながら観てた。
パレス攻略はフタバパレスに続いて結構端折られている。ロボット(奥村の認知上のオクムラフーズ社員)が使い捨てにされるシーンはパレス初潜入のときにあったけど、個人的にはパレス後半の宇宙を感じるところ(ちょっとした宇宙遊泳)も観たかったな。
でも平社員ロボットのクオリティが最高。光沢のあるスーツはロボット感があるし、アンサンブルさんの動きがうますぎる。特にロボットが動けなくなって倒れるシーンは、我々が想像するロボットの倒れ方で良かった。
『オクムラ・マモン・クニカズ』戦も認知存在『イッシキワカバ』戦と同様に不満がある。
戦闘前のシャドウ奥村と春、モルガナの会話がもっとほしかった……
個人的にはシャドウ奥村との会話で、奥村編における春とモルガナの成長が完結すると思っている。
『P5R』の通りにシャドウ奥村が土下座で嘘の謝罪をして、春とモルガナ以外が変なバリケードに捕らえられる。その後シャドウ奥村がモルガナに仲間を切ることを提案するが、モルガナがパチンコでシャドウ奥村が手に持っているバリケードのリモコンをパーン!!ってするところまで観たかった()
(このモルガナが最高にカッコいいけど、これって『P5』にはなくて『P5R』だけ?)
戦闘シーンでは、専務ロボットに全滅させられそうになったときにナビの「ネクロノミコン!!」で怪盗団が立て直すところから専務を倒して社長を総攻撃で追い詰めるところが好き。もちろんペルソナ召喚もカッコいい。
ナビがどのように戦闘に参加するか舞台が始まる前は全然想像がつかなくて、戦闘が始まった途端に舞台袖に行ってしまうけど舞台袖からしっかり後方支援してくれてた……
総攻撃は怪盗団全員揃うと迫力が違う。
暗転からの怪盗団が0番に集まってバン!!ってなるところがエモすぎるし、死ぬほど怪盗団がカッコいい!!
最後は怪盗団全員ディスティニーランドで打ち上げをして、奥村社長の記者会見を観るものの、パレスでオタカラだけを盗んだはずの奥村社長が廃人化してしまう場面で本作は終わり。僕の予想通り、この場面で今作の#3はお開き。
『Phantom thieves』は怪盗団が全員揃ったので、死ぬほどエモい。
双葉の歌詞の最後、『サラダバー』だった(笑)
怪盗団が全員揃い迫力がありすぎて、アイドルのライブを観てるときくらい毎回興奮したしエモかった。
出演者の感想
主人公/ジョーカー 猪野広樹さん
現実世界で怪盗団メンバーと絡んでないときは大人しく、異世界での戦闘は好戦的な姿は1作目から同じ。
このスタンスの芝居を僕は実際のゲームプレイヤーを意識して演じているのかなと考察している。
ハワイで杏のサングラスをかけて浮かれてるの、笑うしかない。
大阪の3公演目では、サングラス壊れてたの笑いの神が降りてきてたな()
修学旅行のあとの竜司とモルガナが揉める場面で主人公が止めようとするセリフは原作にはなかったはずだが、怪盗団のリーダーって感じで僕は好きだった。
坂本竜司/スカル 塩田康平さん
#1を観たときから、ペルソナ召喚時の「キャ〜プテンキッッド〜!!」や『Phantom Thieves』のラップが竜司すぎるしカッコいいしで、もはや原作の竜司よりも好きなレベルだが、今作も最高だった。
双葉編〜奥村編の竜司は怪盗団の評判がうなぎ上りになってくると同時に、お調子者の一面ばかり出てしまったり、モルガナとの喧嘩でデリカシーのない言葉を言ってしまうところなどを今作もゲームから出てきたかのようなクオリティで演じられていた。
(竜司の言葉はデリカシーはないけど、本当のことを言っているので、結局モルガナはそこを反省したんだけどね。)
アドリブパートで僕が一番笑ったのが、『全身の力を抜く運動』だった。ギャグセンスが高い()
高巻杏/パンサー 御寺ゆきさん
今回もモルガナみたいな顔をしながら、アン殿ばかり観てた()
一番最初の中間テストが終わった瞬間にテストから解放された感じや普段の天真爛漫な姿から、#1と比べると楽しそうに過ごしているシーンが多い。竜司と同様にお調子者の一面もあるが、校長の訃報を聞いたあとの不安そうな姿のギャップも良かった。
杏は序盤から登場する分、感情の浮き沈みが他の怪盗団メンバーよりも多く描かれているキャラクターだと思う。
この感情の浮き沈みについては、次回作があるとしたら、また注目して観たい部分である。
怪盗団絡みだと、双葉が押し入れにいるシーンの芝居が特に素晴らしい。
「助けてって言うの、簡単じゃないんだよ。」のセリフや双葉に遠慮がちになる他のメンバーをよそに双葉を諭すところが本当に良かった。大阪公演の初日から最高の芝居だったと思う。
双葉に共感はしつつも、それでも最後は自分が変わらないといけない、その考え方がよく出ていた。
鴨志田に追い詰められ、親友の志帆は自殺未遂をしてしまう場面を見てしまうが、主人公と竜司を追って異世界でペルソナ覚醒。鴨志田編の後も斑目に苦しめられていた祐介を助け、金城編では真と喧嘩したが最後は自分から謝りに行った。
金城編までに杏が経験してきたことが双葉への共感と言葉に込められていた。
双葉と仲良くなるイベントのあとで、双葉が怪盗団加入をお願いするシーンの表情もものすごく優しくて暖かさを感じた。これは芝居とはあまり関係なさそうけど、個人的に良いなと思った。
ちなみに『Phantom Thieves』の杏パートの歌詞前半は以下の文言。
もう誰も泣かせない
もう誰も苦しませたくないの
今回やっと気づいたけど、これって杏のペルソナ覚醒後の信念が込められている気がする。
今作では双葉を救いたい言動の源になっているのかなと。
前作と同様に『Phantom Thieves』の歌唱も良かった……もう僕は杏パートの歌詞全部覚えた()
ムチのアクションは完全に使いこなしていて、前作よりも扱いがうまくなっている。
怪盗団のメンバーが揃ってステージ上の人数が増えた分、前作よりもムチを振るの難しくなっていると思うが、それを全く感じさせない。
シャドウ奥村戦で平社員ロボ相手に0番でしゃがむクイーンの上でムチを振るシーンは特にカッコいい!!
アクションを習いに通っている成果が出ていたのかな。
あとは前作よりもアドリブにも絡んでくるようになってきたのが、今作は印象的だった。
12月17日の公演だとハワイの修学旅行の場面で三島イジりしようとしたら、主人公の喋りに遮られてしまって悔しそうにしているところを見逃さなかった()
正直#1#2で杏が絡む場面が多かった反面、今作は杏が直接ストーリーに絡む場面が少ないので、芝居の伸びしろの部分も少ないのかなと思っていたが、前作よりもゆきさんは高巻杏だったと思うし、芝居もうまくなっている。
やっぱり推しがどんどん良い方向に変わるプロセスを観るのは楽しい。今回もたくさん観に行けて良かった。
2022年の活躍も楽しみ。
喜多川祐介/フォックス 松島 勇之介さん
松島さんの祐介、めっちゃ杉田。(杉田智和さんが宿っている。)
変人なキャラ設定ゆえに祐介は良くも悪くも杉田智和さんのイメージがある。
あとCV:杉田智和さん/杏役のCV:水樹奈々さんは声質が高校生の感じではないから、俳優さんからすると杏も含め演じるのが意外に難しかったりするのかなと想像している。
前作の小南さんの祐介は現実に祐介がいたらこんな感じだろうなという高校生らしさの印象を受けた一方で、松島さんは杉田智和さんに振っているイメージ。
自分の琴線に触れる景色を見たときに指でフレームを作ったり、原作にはないけど突然デカいリアクションを取るところはかなり祐介の変人キャラに寄ってるし、そもそも松島さんが書いた絵をTwitterにアップしていたので、祐介に思うところもあるのかなと思った。
大千秋楽のカーテンコールで「祐介ってこうだから!」と語っていたのを聞いて、ちょっと嬉しく思った。
奥村社長をターゲットにするかどうかの話し合いで過熱する怪盗団人気を懸念し、パレス潜入に反対する芝居も良かった。
原作よりも言い方は強めになっているけど、物事の考え方は慎重で竜司と正反対の意見である印象が際立って、全会一致とならなかったことがわかりやすくなったと思う。
新キャストにも関わらず、猪野さん/塩田さんの絡みに普通に入り込んでいるのすごい。違和感が全くない(笑)
『Phantom Thieves』ソロパートの歌い方も声量があって好き。
松島さんの祐介で1回斑目編を観てみたいと思うくらい良かったし、次回作も出てほしい。
新島真/クイーン 石塚朱莉さん
実は9年前に彼女を大阪難波のNMB48劇場で観たことがある。
当時僕はNMB48のオタクで、彼女が所属していたチームBⅡの某元メンバーを追っかけていた。
NMB48は土地柄や吉本とのコネクションもあり、ライブMCやTV番組でお笑いに走るメンバーが多い。
彼女もアイドルでありながら、一般的なアイドル像とはかけ離れたにぎやかなキャラという印象で、当時のことを思い出すと今作のキャストが発表されたとき、役者になってたんだ!!というか真役!?かと思った。
しかしそのイメージは良い意味で裏切られた。
ペルソナのスキルを使ったとき、原作で真がヨハンナで旋回する動作に見えてヨハンナが本当にいるように見える。
あとはアドリブパートの立ち回りがおもしろかった(笑)
惣治郎宅に入ったときのリアクションは、もうちょっと尺があれば彼女の芝居が活きたのではないだろうか。
大阪公演千秋楽では、自分が原作ファンでありペルソナ25周年の節目に云々と語っていたが、そのとき僕は客席で頷いているファンを見たので、ペルソナファンからしたら良く触れてくれたという気持ちなのかなと思う。
やっぱり役者の方々が演じた作品やキャラクターに対して愛を感じる言動を見たとき、良い気分になるよね。
佐倉双葉/ナビ 福田愛依さん
CV:悠木碧っぽい声だと思ったら、カーテンコールで普通に喋っているときもそれに近い声だった。
役者のキャスティングどうやって決めてるのかが気になる。配役良すぎないか?
喋りはもちろん、改心前の怯え方や挙動不審なところも、まるで双葉がゲームから出てきているかのようである。
しかも結構妹属性入ってた。
春のペルソナ覚醒した戦闘が終わった後に、ジョーカーにハイタッチするところが特に妹感あって良い。
アドリブパートも回を追うごとに順応していて、ルブランで怪盗団の会話を盗聴してるときの発言が竜司の喋りに寄せていたり、アドリブの発言も打率が良かったりした印象を受けた。
次回作があれば、惣治郎に怪盗団だとバレてしまう場面の芝居が楽しみ。
奥村春/ノワール 菅原りこさん
キャスト発表時にすごく春のイメージに合う方だな……という印象を持った。
僕はNGTやSTUがない時代に48グループのオタクをやめたので、彼女のことは全く存じ上げていなかったが、芝居も歌唱も素晴らしいので「なんで彼女を知らなかったんだ?」と思った。
NGTのときから歌唱が高く評価されていたメンバーだったのかな。
ペルソナ覚醒前の現実世界での歌唱を聴いた瞬間「歌うまっ!」と思った。
もちろん普段の仕草や喋りも春にそっくりで、まさに我々が思い浮かべる春のイメージそのもの。
僕はペルソナ5で春のペルソナ覚醒が一番好きなので、「さようなら、お父様!」「私はもうあなたには従わない!」も実際に観れて良かったし、エモかったな。
フィアンセロボを倒したあとのモルガナに「やったよ!モナちゃん!」も良いシーンだった。
佐倉惣治郎 森山栄治さん
三島がルブランを訪れるものの、お互いにタイミングよく会わない場面がコントっぽくてちょっと笑った。
「誰かに見られてるような……」で少し観客の話をしたり、1回だけ三島と遭遇してしまったものの、見なかったことにしていたりがおもしろかった。
ルブランで「どうやったら、傷付いた心を治せるんだ……」と主人公に話したときの切なさは観てるこっちも心が苦しくなるような、そんな気持ちになった。
明智吾郎 佐々木喜英さん
メジエドとアリババの対応に困る怪盗団に怪しまれたあとの歌唱パートが毎回突然始まる感じがしていたが、舞台上での存在感がすごい。センターブロック最前で観たとき、メイクはしてるのもあるけど「めっちゃ肌綺麗だけど、化粧水なに使ってるの!?」という気持ちになった()
ルブランで惣治郎に煙らたがられたあとのセリフは、秀尽学園の社会科見学で主人公と竜司、杏が明智とたまたま会ったときの『パンケーキ』発言に次ぐ今後の伏線の1つである。明智の孤独な部分が垣間見れる。
今作のとある回のカーテンコールではペルソナを召喚するセリフをやってたし、本人としては早く次回作をやりたそう。
新島冴 茉莉邑薫さん
三島の出番が多かった分、冴の出番が少なくなってしまっていた。
真が自宅で双葉のUSBを冴のノートPCに挿すシーンが原作から丸々なくなっていたので、今作は新島姉妹の絡みが全く観れなかったが、明智と会話する場面では、検察として危ない行動に走ろうとする(心が歪んでいる)片鱗が観れた。
明智と同様に次回作もあったら出たいので応援よろしくお願いしますみたいな話をカーテンコールでされていたので、#4早く観たい()
三島由輝 田村升吾さん
今回の三島は主に怪盗団がいない場面で出番が多かった気がする。
全体を通して、ちょっとだけ浮いている男子高校生って感じがあって良かった。
ハワイの修学旅行で主人公に突然ふっかけるアロハゲームは毎回勝ち負けの基準が他の公演と被ることがなかったのが地味にすごいかもしれない。大千秋楽は主人公にアロハゲームで勝利してたので、僕は「やっと勝てて良かったな三島……」ってなった(なってない)
最後は過熱する怪盗団ブームに違和感を感じつつも、怪盗団が応援されていることを好意的に受け止めようとする複雑な心境が垣間見れる場面があったので、次回作があったらシャドウ三島のくだりもあるのかな。見てみたい気がする。
まとめ
今作も最高の舞台だった。
怪盗団メンバーが全員揃い、目がいくつあっても足りない戦闘シーンや迫力のある『Phantom Thieves』の歌唱。そして、怪盗団と怪盗団に絡む人物の関わり合い、どれも良かった。
一部そこは端折らないで欲しかったところや尺を使ってほしかったところはいくつかあったが、テンポよく話が進んでいったので、ストレスはほぼ感じることはなく観れたので、大満足。
次回作があるとすれば、おそらく『PERSONA5 the Stage』最後の舞台になりそうだが、終盤がかなり濃い内容なので、どのような構成になるかが、次回作のカギになると思う。脚本が頭を抱えそう()
明智や冴の出番が増えて、怪盗団に直接関わることが少なかった主要人物がどのような芝居をするのか、そもそも奥村社長の不可解な死で黒幕たちにハメられてしまった怪盗団はこの窮地をどう乗り越えるのか、そしてペルソナ5のテーマをどう魅せてくれるのか……すでに僕は楽しみである。
推しが再び高巻杏ちゃんを演じるなら、前作及び今作と同様にできるだけたくさん観に行きたい。